在宅医療・介護に関する用語集
1.在宅医療関連
■ あ~お
医療用麻薬
いりょうようまやく
緩和ケアでは、痛みを取り除くことを第一に考えています。痛みは、取り除くことができる症状であり、誰にでも緩和ケアを受ける権利があります。痛みのコントロールでは、しばしば「医療用麻薬」が使われます。
医療用麻薬は、がんの痛みにとても有効な薬です。使う量に上限がないので、痛みが強くなれば、それにあわせて薬を増やすことができ、痛みがある状態で使用すると、中毒にならないことがわかっています。
副作用に対しても、様々な薬や対処法が開発され、十分に対応できるようになっています。また、医療用麻薬の種類も増えたことから、一人ひとりの痛みに応じた薬を使用できるようになっています。
ACP:
Advance care planning
えーしーぴー ACPとは、もしもの時のために、自分が望む医療やケアについて、前もって考え、家族や医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い、共有する取り組みのことです。
ACP の実践のために、本人と家族や医療・ケアチーム等は話し合いの中で本人の価値観・意向・人生の目標などを共有し、理解した上で、意思決定のために協働することが求められます。ACPの実践によって、本人が人生の最終段階で意思決定が困難となった場合も、本人の意思をくみ取り、本人が望む医療・ケアを受けることができるようになることが望まれます。
ST:
Speech-Language-Hearing Therapist
えすてぃー STとは、言語聴覚士のことです。病気や事故、発達上の問題で「ことば」によるコミュニケーションや食べることに支障がある方に、日常生活、社会生活を送るための治療・支援を行っています。
QOL:
Quality of Life
きゅーおーえる 「生活の質」と訳すこともあります。治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。病気による症状や治療の副作用などによって、患者さんは治療前と同じようには生活できなくなることがあります。QOLは、このような変化の中で患者さんが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。
経管栄養 けいかんえいよう "普通に口から食事をすることを「経口摂取」と言います。それに対して、何らかの理由で口から食事をする事が出来ない場合、経管で(チューブの管を通して)栄養を胃や腸に送ることを「経管栄養」と言います。
例)胃ろう、腸ろう、経鼻栄養等

■ さ~そ
在宅医療
ざいたくいりょう
患者の自宅(在宅)で、医療を行うことを言います。医師が患者の自宅で診療する往診と訪問診療、看護師が看護する訪問看護、理学・作業療法士等が行う訪問リハビリテーション、歯科医師が行う訪問歯科診療等があります。医療保険が適用されます。
在宅酸素療法 ざいたくさんそりょうほう 病状は安定しているものの、体の中に酸素を十分に取り込めない患者に対して、長期にわたり自宅で酸素吸入をする治療法です。この治療法は、家庭生活や職場への復帰が可能となり、生活の質 "Quality of Life"を高める手伝いをします。
在宅療養支援
診療所
ざいたくりょうようしえんしんりょうしょ 自宅で療養する方の為に、24時間365日体制で訪問診療や訪問看護、急変時の入院先の確保などを行う診療所のことです。平成18年の医療保険制度改正により、診療報酬上の制度として新設されました。
終末期 しゅうまつき 終末期(terminal phase)とは、ターミナル期のことです。病気が治る可能性がなく、数週間~半年程度で亡くなると予想される時期。終末期の患者に対する医療や看護は、終末期医療と呼ばれます。終末期ケアの目的は、延命ではなく、患者および家族の身体的・精神的苦痛を和らげ、 QOL(Quality Of Life)を向上させることです
ショートステイ しょーとすてい 介護者が病気になったり、冠婚葬祭、または旅行などの場合に、短期間、施設に入所して介護サービスを行うことをいいます。介護保険法では、特別養護老人ホームでの「短期入所生活介護」や老人保健施設等での「短期入所療養介護」があります。高齢者だけでなく、障がい児・障がい者に対するサービスもあります。これらは利用者本人だけでなく、家族への生活支援という意味合いがあります。

■ た~と
中心静脈栄養
ちゅうしんじょうみゃくえいよう
末梢の静脈から心臓に近い静脈(中心静脈,上大静脈や下大静脈の心臓に近い部分)まで長い管を挿入し,無菌的に点滴液を注入する方法です。高カロリー輸液とも呼ばれ、高濃度の栄養輸液を投与することが可能で、エネルギーをはじめ、体に必要な栄養素を補給することができます。

■ は~ほ
PT:Physical Therapist
ぴーてぃー
PTとは、理学療法士のことです。ケガや病気などで身体に障がいのある人や障がいの発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障がいの悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援を行っています。
訪問診療 ほうもんしんりょう 訪問診療とは、患者の状態に基づき、診療計画を立てて計画的に訪問し、医療サービス(=診療)を行うことです。訪問診療の頻度は、患者の状態により異なりますが、1~2週間に一度となります。多くの場合、24時間体制で在宅療養をサポートするのが、訪問診療の特色です。
訪問看護 ほうもんかんご 看護師や保健師が、在宅で療養している患者の自宅を訪問して医療面から療養生活の支援を行うサービスのことです。主治医の指示に基づいた生活支援、リハビリテーション、床擦れ予防処置、カテーテル管理、介護や看護に関する相談などがあります。医療保険または介護保険を利用してこのサービスを受けることができます。

■ ま~も
看取り
みとり
看取りとは、人が自然に亡くなる過程を見守ることを指します。死期が近づいている人に対して身体的・精神的苦痛を取り除き、死を迎える最後の瞬間まで自分らしく生きるサポートを行うことです。

■ ら~ろ
療養型病院
りょうようがたびょういん
療養型病院とは、医療療養病床の通称です。病状が安定しており、治療よりも長期療養が必要な高齢者が、医師の管理下で看護、介護、リハビリテーション等の必要な医療を受けることができる病院のことです。
レスパイトケア れすぱいとけあ 高齢者などを在宅で介護している家族の負担を軽減し、リフレッシュしてもらうため、一時的にケアを代替、支援するサービスです。介護保険ではデイサービスやショートステイがレスパイトケアを兼ねます。

2.介護保険関連
■ か~こ
介護支援専門員
かいごしえんせんもんいん
介護保険のサービスを利用する方などからの相談に応じる専門員です。利用者の希望や心身の状況等を考慮して、適切な居宅または施設のサービスが利用できるよう、市町村、居宅サービス事業者、介護保険施設等との連絡調整を行いながら介護サービス計画を作成します。要介護認定の申請時における訪問調査等もおこないます。通称ケアマネジャー。
介護保険制度 かいごほけんせいど 40歳以上の人全員が被保険者(保険加入者)となって保険料を負担し、介護が必要と認定されたとき、費用の一部(所得によって1割、2割、3割)を支払って介護サービスを利用する制度です。65歳以上の人(第1号被保険者)は、介護や支援が必要と認定された再にサービスを利用することができ、40歳以上65歳未満の人(第2号被保険者)は、特定の疾病(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病)が原因で介護や支援が必要と認定された時にサービスを利用することができます。
居宅サービス計画
(ケアプラン)
きょたくさーびすけいかく 介護保険において要支援、要介護に認定された人が介護サービスを利用する場合、本人の心身の状況や家族を含めた生活環境、本人や家族の要望などに配慮し、利用する介護サービスの種類や内容を定めた介護サービス計画書のことです。

■ さ~そ
サービス担当者会議
さーびすたんとうしゃかいぎ
介護保険制度において、ケアマネジャーが開催を義務付けられている会議。ケアプラン作成時やサービスが追加・変更されたときなどに、本人、家族、主治医やサービス提供事業者などが会し、サービス内容に関して利用者や家族の意向を確認し、同じ目標のもとチームとして支援するための合意を得る場です。

■ や~よ
要介護者
ようかいごしゃ
介護保険制度においては、65歳以上で要介護認定の結果、要介護1~5と認定された人。また、40歳以上65歳未満で特定疾病のために要介護状態にある人。
要介護認定 ようかいごにんてい 介護保険制度において、被保険者より介護申請が出された場合に、申請を受けた市区町村が介護の必要の有無および要介護度を判断し、介護保険支給の対象であると認定すること。